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民主党の厚生年金基金廃止報告は企業年金カットの格好の口実

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民主党の厚生年金基金廃止報告は企業年金カットの格好の口実
NEWSポストセブン-イレブン2012.05.15 07:00の記事より

※週刊ポスト2012年5月25日号

「企業年金」は企業と社員が交わした契約であり、法律で守られている。一部の企業では、脱法スレスレのごまかしでそれを減額したり廃止したりする横暴がまかり通っているが、あろうことか、労働者の権利を重視する立場だったはずの民主党の一部の議員らは、大企業に尻尾を振って、企業年金廃止に手を貸そうとしている。

大型連休直前の4月24日、蓮舫・元行政刷新相を座長とする民主党の「年金積立金運用のあり方及びAIJ問題等検証ワーキングチーム」が重大な報告書をまとめた。『AIJ問題再発防止のための中間報告』という表題で、一見、運用を受託していた企業年金2000億円の大半を消失させたAIJ投資顧問事件の被害者救済策のようだが、内容は正反対のものだった。

中間報告はこう結論づけている。

厚生年金基金制度は、一定の経過期間終了後、廃止する

被害者救済どころか、逆に企業年金のほうを潰してしまえというのだ。厚生年金基金が廃止されるとどうなるか。

企業年金には、大別すると「厚生年金基金」「確定給付企業年金」「企業型確定拠出年金(401k)」の3種類の制度があり、2011年3月末時点の加入者総数は約1545万人だが、中間報告には具体的な方法として、〈厚生年金基金には、【1】解散させるか、【2】代行資金を返済した上で確定拠出型年金ないし確定給付型年金に移行するかを選択させるべきである〉―として、解散要件の大幅緩和まで盛り込んでいる。

厚生年金基金の解散は、2006年に政府の産業再生機構によって解体されたカネボウ・グループのケースがよく知られている。同社の基金には子会社を含む約1万4000人の現役社員と約2万2000人の退職者(受給権者)が加入していたが、基金の資産残高約910億円を社員と退職者に分配して解散し、企業年金は打ち切られた。社員が受け取ったのは本来もらえるはずの金額の4割程度だった。

それでも積立金が残っていたカネボウ社員はまだ恵まれている。厚生年金基金は複数の企業が共同で設立した総合型など全国に578あるが、4割の212基金は積立金がゼロだ。本来なら不足分を企業が拠出しなければならないが、解散すれば企業は年金債務から逃れることができ、一方で社員やOBは受け取る企業年金が最悪、ゼロになる。

厚生年金基金から別の企業年金制度への移行の場合も退職金減額に直結する。

公的年金や企業年金制度に精通する「年金博士」こと社会保険労務士の北村庄吾氏が指摘する。
「厚生年金基金の場合、企業が社員の給料の何%分かに相当する金額を拠出し、基本はそれを5.5%の予定利率で運用した金額を退職後に企業年金として支払うことを就業規則で約束している。現在の市場環境ではそんな運用利回りは無理だが、これは労働者との契約だから、不足分は企業が追加拠出することになっている。

運用成績が悪いから企業年金を減らすというのは労働条件の『不利益変更』にあたり、加入者の3分の2以上の同意が必要で、企業が潰れるとか、よほどの事情がない限り認められません。

ところが、企業側は退職金拠出を減らすために厚生年金基金から他の企業年金制度に変更し、そのドサクサに制度や法律に詳しくない社員を丸め込んで同意させ、予定利率を1.5~2%程度まで引き下げるケースが多い。民主党報告書の厚生年金基金制度の廃止は、企業年金カットの格好の口実にされるでしょう」

予定利率が下がれば退職金がいくら違うかを試算すると、例えば、退職金2000万円のサラリーマンが1000万円を退職一時金、残る半額を年金方式(60歳から25年間)で受け取る場合、予定利率5.5%なら月額約6万1959円だ。それが予定利率を2%に引き下げると、企業年金は月額4万2684円と3割カットになる。総額500万円以上カットされるのである。

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ふざけるな民主党 年金基金廃止 加入者450万人を見捨てる

2012/5/17 日刊ゲンダイより

厚労省がきのう(16日)、AIJ投資顧問による企業年金資産の消失問題で、「厚生年金基金」の運用規制案を有識者会議に示した。厚労省は6月までに最終報告をまとめる方針だが、これが「改革」と思ったら大間違い。トンデモない「改悪」なのだ。

厚生基金制度の将来的な“廃止”も含め、原点に立ち返って議論してほしい」。きのうの有識者会議の冒頭、辻泰弘厚労副大臣はこう挨拶したが、この発言には驚愕だ。

「簡単に言うと『企業年金を潰しても構わない』という意味です。実際、AIJ問題を検証する民主党の作業部会は4月、厚生年金基金制度を将来的に廃止すべき――とする報告書をまとめていて、小宮山洋子厚労相も15日の閣議後会見で、この廃止案について『あらゆる選択肢を視野に入れており、排除されるものではない』と発言している。企業年金制度の不備を是正するのではなく、面倒だから廃止しようということなのです」(経済ジャーナリスト)

恐ろしい暴論である。厚生年金基金に加入するサラリーマンは全国で約450万人。受給者は約280万人に上る。それを突然、バッサリ切り捨てるとは正気じゃない。

経済ジャーナリストの荻原博子氏はこう言う。
「基金の多くは廃止、解散したくても(国への代行返上などの)お金が足りない。そんな状況で廃止したら、誰が不足分を穴埋めするのでしょうか。加入している中小企業に負担させれば倒産が相次ぐでしょう。それとも450万人の加入者に負担を求めるのでしょうか。廃止するなら、基金や加入者に過度の負担を強いることのない長期的なスキームが必要です。民主党政権に解決は期待できません」

その通りだ。だいたい民主党は政権交代前、「最低保障年金月7万円」を掲げていたくせに、逆に“年金改悪”とはフザケている。消費税増税といい、企業年金廃止といい、野田政権は国民に負担ばかり強いている。

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厚生年金基金/廃止を言うならその道筋を

河北新報社2012年05月12日付け記事より

企業年金の一つ、厚生年金基金の財務状況悪化にどう対応するか。AIJ投資顧問の年金消失事件で浮かび上がった、この問題をめぐり、民主党の作業部会と、厚生労働省の有識者会議が議論をしている。有識者会議は6月中に、民主党の提言を踏まえ対策をまとめる方針だ。

厚生年金基金は、国に代わって公的年金である厚生年金の保険料の一部を預かり、これに企業独自の年金掛け金を上乗せして、一体的に運用し支給する仕組みだ。厚生年金の運用・給付分を「代行部分」という。

経済成長期は金利も高く、代行部分を含めることで運用のスケールメリットを出すことができた。しかし、バブル崩壊後は低金利で運用益は予定額を下回り、一方で高齢化に伴う退職者増による給付増から、財政難に陥る基金が増えている。

こうした状況を背景に、運用の好実績を偽装していたAIJに、多くの基金が飛びつくことになったとみられる。

民主党の作業部会は先月、議論の中間報告をまとめ、基金の解散を促し、将来的に基金制度を廃止する考えを打ち出した。

だが、制度廃止の前段となる解散が、容易ではない。「廃止」を口にするのなら、それに至る道筋を明確に示すべきだ。

問題となるのは代行部分だ。解散する場合、国から預かった厚生年金保険料の積み立て分を国に返還する必要がある。

だが、積立金を取り崩し給付に充てたことなどから、その資金を確保できていない基金が全国約580のうち4割近くに上る。大半が地域の同業中小企業でつくる「総合型」と呼ばれる基金だ。中でも、積み立て水準が著しく低い基金を厚労省は指定し指導しており、東北にも運輸・建設関係の5基金がある。

解散しようとすれば、この代行部分の積み立て不足を、加入企業が連帯して負担しなければならない。負担の重さから倒産する企業が出れば、残った企業がその分も背負う。

代行部分を穴埋めするために体力の弱い加入企業が連鎖倒産するという事態にもなりかねない。現に関西に実例がある。

確かに基金の運用は自己責任が原則である。上乗せ分の支給を減額したり、掛け金を増やしたりして加入企業、加入者や受給者が財政の健全化、不足分の穴埋めに努めねばならない。

だが、不足額が多額に上り「負担が大きすぎ、解散したくてもできない」と悲鳴を上げる基金が少なくないのが実態だ。

民主党の中間報告は、厚生年金本体や税金による救済は行わないとした。だが、経済環境が大きく変化する中で、これまで制度改革を怠ってきた国の責任も大きいと言える。

公的救済の否定は正論だとしても、基金の積み立て不足を解消する明確な手だてと道筋は打ち出されてはいない。

解散に伴う企業倒産、ひいて
は地域経済や雇用への悪影響をいかに防ぐか。その観点からも民主党と厚労省には、対策づくりに知恵を絞ってもらいたい。

[管理人の感想]

今や支持率が地を這い国民の信頼を失っている民主党の提言が実行されるとも思わないが・・・、加入者が450万人(受給者280万人)いる制度に対しての今回の提案には唖然とした。民主党の作業部会は、厚生年金保険料や公的資金による厚生年金基金の救済は行わないこと、積み立て不足の中小企業には、公的融資による資金繰り支援を行うことや、最終的には厚生年金基金制度を廃止する方向性を示したのである。骨子は「基金が予定利率を達成することは困難」と指摘。基金解散か、運用次第で受け取る年金の金額が変わる「確定拠出」か、受け取る年金の金額が決まっている「確定給付」への移行を求めている。解散条件大幅緩和や、連帯保証の金額に上限を設けることも盛り込んだと言うが、国が決めた制度を民主党の一部議員が当座の思いつきで勝手に変えることは許されない。本来この種の制度は長期的に運用されるべきであり、ここ数年運用が順調でないからと言う理由で制度を骨抜きにされたら加入者はたまらない。民主党委員は誰の見方か知らないが横暴すぎる。もっと知恵を絞って欲しい。若い人はともかく、既に年金を貰っている人、あるいは近く貰う人は急に制度を変えられたら困るだろう。厚生年金基金は一代限りの制度では困る。簡単に廃止など言って欲しくない。厚生年金基金を廃止するというなら議員年金制度を先に廃止してみたら良かろう。短兵急に結論を出すような問題ではない。もっと頭を絞って議論を尽くして欲しい。

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[C38]

全国の年金受給者の2割にあたる350万人が、厚生年金基金の年金で生活している。
厚生年金基金を強制解散すれば、今まで支払われていた3階建ての年金が0円になるが、困る人は首を吊ってくださいということだ。 本当かい?
民主主義での政治家の役割はヴィジョンを提起して、国民が判断しやすい選択肢を提供することが仕事だ。
 残念ながら、今の日本では原子力発電を全部停めたまま、何の具体的な計画も持っていない再生エネルギーを掲げる反核団体の云うままに日本経済を委ねて、1年半も停止したまま、日本国は停止している。
 今度は、厚生年金基金を全部廃止して、新年金制度に移行するといっているが、家族も入れると1000万人にもなるが、そのうちの9割の人は新制度に移行することは不可能となるのは確実と言われている。
その結果、所得水準が急落し、長期間にわたって日本経済に影響を与える。ますますデフレが助長する。
 国民生活を後回しにして、次の総選挙のために、テレビで取り上げられることだけを考えたパフォーマンス。
テレビカメラの前で「厚生年金基金の廃止」を得意そうに発表して、不良債権にまみれた、一部の「基金と加入企業」のために利益誘導に走っている姿は、実に情けない。

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okiちゃん

Author:okiちゃん
埼玉県在住・男性
趣味は、ドライブ、花の観賞、旅行、パソコン、カメラ、軽音楽を聞くことです。健康・医療問題にも関心があります。東日本大震災と福島原発事故は人生観と生活習慣を変えました。
WebSite:okiちゃんの趣味のアルバムの閲覧Page Viewが1000万を超えました。有り難うございます。
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