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とくダネが群司准教授と共に巨大地震の古文書プロジェクトを始動

キーワード:大震災編 都司嘉宣・東大地震研究所准教授に聞く 東日本大震災 地震
大震災編 都司嘉宣・東大地震研究所准教授に聞く
産経新聞2011.11.17付け記事より


「千年に1度」ともいわれる巨大な地震と津波が襲った東日本大震災。地震学の限界と、歴史に学ぶことの大切さがクローズアップされた。歴史地震学の第一人者で津波研究が専門の都司嘉宣・東大地震研究所准教授は、古文書から過去の地震の実像を科学的に解明し、将来予測につなげることが重要だと強調した。(長内洋介)

                   ◇

--想定外の大津波だった

都司 地震や津波の研究はこれまで、江戸時代の初めから約400年間の記録を調べ、その中で最大のものを考えていた。三陸地方では明治三陸地震(1896年)の津波がたぶん上限で、これより大きいものは来ないだろうと。貞観地震(869年)の津波が明治三陸より大きかったことは地質学的に知られていたが、千年も昔のことが来たときどうするかを考えるのは現実的でないと、防災の参考にしなかった。

ところが現実は千年前とそっくりの津波が起きてしまった。「千年に1度」は無視できないと、身に染みて分かった。三陸で生まれ、そこで80年間の一生を終える人にとって、千年に1度のことに遭遇する確率は単純計算で8%だが、いくら低い確率でも、人命が奪われる大災害は無視してはいけない。

サッカーに例えると、ゴールキーパーが用心していない場所にボールを蹴られてしまった。大丈夫だろうと、守っていなかった弱点を突かれた。手も足も出なかった悔しさがある。敵は一枚上手だった。

--教訓をどう生かすか

都司 東海地方では安政の東海地震(1854年)の津波が防災の基準とされてきたが、ちょっと待てよと。東海地方で千年に1度の地震とは、どんなものなのか。その解明はおろそかにされていた。

そこで古文書などの歴史記録を基に、明応の東海地震(1498年)の津波を現地調査してみると、静岡県西伊豆町仁科で安政東海地震の倍以上の高さだった。伊豆市の栄源寺の看板には近くの集落で30人余が死んだと書いてあり、伊豆半島の西海岸で標高10~20メートルは当たり前に来ている。安政の3倍くらいだ。明応の東海地震は静岡県で千年に1度の津波だったのだろう。

焼津市の津波は、安政は海岸から約1キロまでだったが、明応は約3キロまで来た。海岸付近の人が、津波警報が出てから3キロ内陸に避難するのはほとんど不可能。命を守るため、5分以内で行ける場所に津波避難タワーを造らなければならない。

--今回の津波の特徴は

都司 大震災は複数の震源域が同時に動く連動型の巨大地震で、震源域は南北500キロ、東西200キロと巨大だった。しかし、震源域が広いから津波が大きくなったのではない。震源域の中に南北約50キロ、東西約70キロの狭い楕円(だえん)形のコアとなる領域があり、そこで海底が20メートルも上昇したため大津波が起きた。

狭い範囲に千年分のひずみが蓄積され、それが一気に解消されて連動型になった。大きな布の1カ所をつまんで急に持ち上げると、周りも引っ張られて一緒に上がるようなものだ。

--なぜ狭い範囲にひずみがたまったのか

都司 10月の日本地震学会で興味深い発表があった。太平洋プレート(岩板)が沈み込む場所に海山(海底の山)があり、にきびみたいにこぶができていて、上側の陸側プレートに引っ掛かって摩擦が大きくなり、狭い範囲が固着していた。ここが滑って今回の巨大地震が起きたと推定されるという。そうか、とひざを打った。

紀伊半島や四国で千年に1度の津波が来た宝永地震(1707年)については、紀伊半島の古文書に『地震が起きてから津波が来るまで、ご飯を炊く時間があった』という記載がある。時間は30分ぐらいだろう。東日本大震災も大津波が来るまで約30分かかっており、宝永地震の津波もはるか沖の狭い範囲から来たことを意味している。

宝永地震は東海、東南海、南海地震の3つが同時に起きた連動型だが、明応の地震は東海地震の単独型だ。大阪に大津波が来た正平の地震(1361年)も南海地震の単独型だった。つまり、津波が大きくなるのは連動型だからではなく、とてつもなく海底が上昇する狭い領域があることが根本的な原因だ。

政府は南海トラフで起きる連動型地震の津波の想定を見直しているが、単に切手を貼り合わせるように震源域を広げただけでは、津波の高さは単独の場合とあまり変わらない。狭い範囲が強烈に上がることを考慮して数値計算しないと、われわれの先祖が残してくれた古文書の事実をちゃんと説明できず、甘い予測になってしまうだろう。

狭い範囲が滑ったのが東日本大震災であり、宝永や明応の地震もそうだったとすれば、今後は海山の痕跡などを調べ、固着域がどこにあるのか解明する必要がある。将来を的確に予測するため、それが歴史記録に合うことを確かめないといけない。

                   ◇

【プロフィル】都司嘉宣
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つじ・よしのぶ 昭和22年、奈良県生まれ。東大工学部卒、同大学院理学系研究科修士課程修了。国立防災科学技術センター研究員を経て理学博士。60年、東大地震研究所助教授。平成13年、同准教授。専門は津波、高潮、歴史地震。14年から産経新聞科学面に「温故地震」を連載。近著に「千年震災」(ダイヤモンド社)。

フジテレビ・とくダネ、群司准教授と共に巨大地震の古文書プロジェクトを始動

過去の大地震から「想定外」を想定せよ! “とくダネ!古文書プロジェクト”
地震予知研究が限界に達し、巨大地震への予測が難しい中、とくダネ!が「とくダネ!古文書プロジェクト」を立ち上げました。このプロジェクトは、各地に散らばる古文書から過去の地震の実像をあぶり出し、将来起きる地震に対して、どのような対策をとればいいのか、そして、現在の対策で十分なのかを検証するものです。

代々続く家に伝わる古文書…神社、お寺に残された古文書…さらには、地元に伝わる言い伝え、石碑など、過去の地震に関する記録の情報を求めています。情報は、東大地震研究所の都司嘉宣准教授とともに分析、取材し、今後の防災計画に役立てていくとのことです。
詳細はフジテレビHPを参照⇒http://bit.ly/tXtLxb

  

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okiちゃん

Author:okiちゃん
埼玉県在住・男性
趣味は、ドライブ、花の観賞、旅行、パソコン、カメラ、軽音楽を聞くことです。健康・医療問題にも関心があります。東日本大震災と福島原発事故は人生観と生活習慣を変えました。
WebSite:okiちゃんの趣味のアルバムの閲覧Page Viewが1000万を超えました。有り難うございます。
ブログタイトル一覧表はこちらを参照

ツイッター(twitter)のアドレスはhttp://twitter.com/ocky2010です。こちらもご覧ください。

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