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福島原発危機のシナリオ、最悪の事態に備えよ!

キーワード:福島原発危機のシナリオ、最悪の事態に備えよ!東北地方太平洋沖地震
東洋経済2011.3.18記事より引用
原文はこちら→ http://bit.ly/e1KSjD

福島原発事故、ヘリ、放水車は冷却に無力、最悪な事態に備えた対応を

「止める」「冷やす」「閉じこめる」は原発事故での三大原則。3月11日に発生した東日本大震災による福島第一原子力発電所の事故では「冷やす」ことが完全にできず、事態を悪化させている。地震と津波により冷却系統が想定以上に破壊されたことが要因だが、冷却機能が再び機能し、放射能の拡散を減らすことはできるのだろうか。

東京電力によれば、1号機は「原子炉への海水注入を実施中」、2号機も1号機と同じ、3号機は原子炉脇にある使用済み燃料プールを冷却するため、17日の午後にヘリコプターによる空中からの放水を実施した。

現場では被曝の危険を顧みず、職員たちの必至の作業が続いているが、どこまで冷却できるのか。現在得られる情報の範囲内では、以下のようなことが判断できそうだ。


政府・東電の情報では原子炉格納容器の無事は不明
 
現在実施中、あるいは検討されている注水作業について見てみよう。

ヘリコプターによる放水は17日に実施されたが、効果はなかったはずだ。ヘリコプターはローターの回転により下向きに強い風を発生させる。そんな場所から水を放出しても、その水は水滴になるだけで原子炉まで届かない。ましてや、冷却できるほどの水は溜まらない。開始してすぐに中止されたが、このようなことは原子核物理学のような高尚な学問ではなく、常識的なことだ。自衛隊の幹部からは効果がなく、しかし被曝の恐れだけは強い試みに対して進言はあっただろうが、おそらく判断力の低下した官邸では受け入れられなかっただろう。貴重な隊員、貴重な航空燃料。全体を冷静に管理する能力が残っているか懸念される。

放水車による放水も、どこまで効き目があるのか疑問だ。どこまで正確に放水できるのか、また冷却できるだけの十分な水を原子炉の中にどこまで貯められるのか。効果的なのかはわからない。水は放物線を描いて投射される。原子炉建屋の頂点に位置する燃料プールに適切に水がたまり得ないことは、これも中学生のレベルで理解できることだ。前代未聞の経験に対処している東京電力など現場の作業は、場当たり的な命令にさぞかし困惑していることだろう。

そこで、次のような疑問が湧く。政府や東電は、格納容器の状態をどこまで把握しているのか、だ。

原子力安全・保安院によれば、福島第一原発1号機は「原子炉圧力容器と格納容器の健全性は保たれている」、3号機は「格納容器の破損の恐れ」、2号機は「圧力抑制室が損傷した恐れ」としている。

ただ、「(圧力容器の)下部に損傷はないかもしれないが、上部の損傷の有無はどう確認したのか」と立命館グローバル・イノベーション研究機構の亀井敬史研究員は疑問を呈する。2号機を含め、格納容器の下は目視できるが上部は圧力容器も含めてコンクリートで囲まれて確認できない。唯一可能なのは、圧力容器の上部にある燃料交換用のコンクリートの蓋を開けて目視観察した場合だけだ。もし圧力容器と格納容器が健全であれば、12日時点での放射能は弱かったはずだ。まず第一に確認すべきはこの点と思うが、実際に確認していないのに憶測で確認したと判断したとすれば問題だ。1、3号機は水素爆発を起こし、格納容器を取り囲む建屋上部が吹き飛ばされたという。その際、格納容器は損傷していないのかとの不安が湧く。ただし、原子力安全・保安院は、水素爆発を「推定」としている。

それでも1、3号機は格納容器の下部に損傷がなければ、注水すればそれなりに水は溜まる。だが、漏洩していたり蒸発しているため、注水は続けなければならない。上部がもし損傷していれば、効果は減少する。そもそも、注水した水がどこかから蒸気として外部に出て行かなければ、注水を続ける必要もない。また、2号機は底が抜けているため、溜まるまで継続して多くの水を注がなければならないのが現状だろう。水を送り込むためのポンプ車の規模などもわからず、この作業がどこまで続くのかについても情報が出てこない。

2号機の使用済み燃料プールを囲っているのはコンクリート。ここにはコンクリートだけでは必ず漏れるので、プールの内側に「ライナー」と呼ばれる薄い金属板が貼られている。このライナーが破れていると、結果的にプールからも燃料が漏れてくる。だが、ここの現状も確認されていない。

米軍の無人飛行偵察機「グローバルホーク」が上空からの撮影を行うようだが、その写真の分析も早く待たれるところだ。しかし、わが国の民間企業には、海外への輸出が規制される「無人ヘリコプター」を商品化しているところがある。これは国防上の問題にもなったぐらいだ。そのような国防にかかわるようなことを、即座にこのような事態に活用する発想は、政権内部には一人もいなかったのだろうか。いうまでもないが、グローバルホークは飛行機であり、原子炉建屋の上空でホバリングもできないし、内部に入ることもできない。無人ヘリコプターは内部にすら入ることができる。冷静な思考と、さまざまな可能性を有機的に組み合わせる本当の意味での危機管理機能はわが国にはないように感じられる。


最悪の事態を想定した対処は行われているのか

元東芝社員で原子炉格納容器設計者である後藤政志氏は、「断言はできないが、格納容器は破損していると思う」という。設計段階ではあらゆる危険性を考えたうえで設計するが、「(地震に津波が重なったために)多重故障が発生したため、安全システムがすべて作動しないという最も恐れていることが起きた」と説明する。

では、十分に原子炉を冷却できないと、どのような事態が待っているか。最悪は、放射性物質の大量放出を止められないということだ。

後藤氏は、今後予想される危機を以下のように説明する。まず、原子炉の冷却ができないと炉心が溶融して原子炉の底に溶融物が落ちる。さらに冷却ができないと、原子炉圧力容器の底が抜ける。底まで落ちた溶融物はコンクリートと反応し、大量の水素ガスなどを出す。そして、この段階で格納容器が破損するので、外部に大量の放射性物質が放出される。

溶融物が発生した段階で冷却のために水を投入することも難しい。というのも、溶融物に水を注ぐと一気に水蒸気爆発が起きるためだ。水蒸気爆発は、火山から流れ出たマグマが海面などと触れあうとすさまじい蒸気を発生させることを思い浮かべるといい。原子炉の場合、燃料被覆管に使われているジルカロイ合金が摂氏1400度で溶融を始め、その溶融体が冷却水に落ちると水蒸気爆発が起こりうる。


後藤氏はさらに先の危機シナリオを提示する。

冷却がうまくいかないと、事故の内容が進むにつれて水素爆発や水蒸気爆発、あるいは再臨界が起こりうると、後藤氏は警告する。再臨界とは、落ちた溶融物のなかには核分裂を進めうる燃料が残っており、それが勝手に臨界を始めるというもの。原子炉へのホウ酸の撒布が検討されているのも、この再臨界を防ぐためだ。

水素、水蒸気爆発など大規模な爆発現象が発生すれば、放射性物質が大量に飛び出し、チェルノブイリ原発事故と同じような事態を招く可能性がある。爆発を起こさなくても、徐々に放射性物質が外部に出続ける可能性があると、後藤氏は言う。いずれにしろ、深刻な事態が継続することは間違いない。

いたずらに危険を煽るのではなく、現状を把握して最悪の事態を想定したうえで対処すべきなのだが、それが行われているかはとても心許ない。それが余計に不安を煽る。
 


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Author:okiちゃん
埼玉県在住・男性
趣味は、ドライブ、花の観賞、旅行、パソコン、カメラ、軽音楽を聞くことです。健康・医療問題にも関心があります。東日本大震災と福島原発事故は人生観と生活習慣を変えました。
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